乾
保存や加工の知恵
COLUMN
農家さんに教わったこと永崎地区では、かつて朝飯前の磯仕事として かんぴょう作りが行われていました。ウリ科の
「ユウガオ」の実を「手かんな」という道具を用 いて薄く削り、乾燥させたものが「かんぴょう」 です。収穫してすぐのユウガオを、味噌汁の具 や煮物にしても美味しくいただけますが、ユウ ガオの実は大きいので、とても一度には食べき れません。かんぴょうにすることで長期保存が 可能となり、使いたい時に使いたい分だけを使 える保存食です。
永崎地区では、かつて朝飯前の磯仕事として かんぴょう作りが行われていました。ウリ科の
「ユウガオ」の実を「手かんな」という道具を用 いて薄く削り、乾燥させたものが「かんぴょう」 です。収穫してすぐのユウガオを、味噌汁の具 や煮物にしても美味しくいただけますが、ユウ ガオの実は大きいので、とても一度には食べき れません。かんぴょうにすることで長期保存が 可能となり、使いたい時に使いたい分だけを使 える保存食です。
かんぴょう
写真:かんぴょう(永崎川畑)
下桶売のシソ栽培者は、収穫したシソの葉を、天気の良い日に縁側に並べ、時間をかけてカラカラ に乾燥させます。乾燥させたシソの葉は、細かくもんで、蒸かしたてのむかごご飯にたっぷりとかけ「し そご飯」に。梅と一緒に漬け込んだ赤シソを乾燥させる「ゆかり」とは全く別のもので、川前町では 昔から食べられている伝統食です。近年ではあまり見かけなくなりましたが、各家庭で少しずつ調理 法が違い、我が家の味があるようです。
ちそっぱ
写真:しそご飯(川前町下桶売) 風や日差しなどの自然の力を有効に利用して食物を乾燥させることは、先人から伝わった長期保存の知恵のひとつ です。乾物もまた漬物とならんで、交通の便が未発達だっ た時代に、冬の間の貴重な食物として重宝されていました。 戻す手間や調理に時間がかかるものもあり、現代人には敬 遠されがちですが、味や栄養が凝縮され、採れたての作物 とはまた別の味わいが楽しめます。
いわき市では、実に多くの種類の豆が作られ てきました。呼び名や愛称も、地域や家庭によっ てさまざまで、その一粒に人々の想いや歴史が 詰まっています。何故そこまで豆が大切にされ てきたのか。それは、収穫物が限られる厳しい 冬に、栄養豊富で長期保存できる豆は、貴重な ものだったからです。お節の煮豆、お赤飯など、 ハレの日に豆を使った料理が多いことも、大切 にされていた証なのかもしれません。
いわき市では、実に多くの種類の豆が作られ てきました。呼び名や愛称も、地域や家庭によっ てさまざまで、その一粒に人々の想いや歴史が 詰まっています。何故そこまで豆が大切にされ てきたのか。それは、収穫物が限られる厳しい 冬に、栄養豊富で長期保存できる豆は、貴重な ものだったからです。お節の煮豆、お赤飯など、 ハレの日に豆を使った料理が多いことも、大切 にされていた証なのかもしれません。
豆類
写真:花豆(田人町荷路夫)味付けはめんつゆ
熱した油が 隠し味
細かくした シソを加える 手かんなとかんぴょう ユウガオ
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乾
保存や加工の知恵
COLUMN
農家さんに教わったこと永崎地区では、かつて朝飯前の磯仕事として かんぴょう作りが行われていました。ウリ科の
「ユウガオ」の実を「手かんな」という道具を用 いて薄く削り、乾燥させたものが「かんぴょう」 です。収穫してすぐのユウガオを、味噌汁の具 や煮物にしても美味しくいただけますが、ユウ ガオの実は大きいので、とても一度には食べき れません。かんぴょうにすることで長期保存が 可能となり、使いたい時に使いたい分だけを使 える保存食です。
永崎地区では、かつて朝飯前の磯仕事として かんぴょう作りが行われていました。ウリ科の
「ユウガオ」の実を「手かんな」という道具を用 いて薄く削り、乾燥させたものが「かんぴょう」 です。収穫してすぐのユウガオを、味噌汁の具 や煮物にしても美味しくいただけますが、ユウ ガオの実は大きいので、とても一度には食べき れません。かんぴょうにすることで長期保存が 可能となり、使いたい時に使いたい分だけを使 える保存食です。
かんぴょう
写真:かんぴょう(永崎川畑)
下桶売のシソ栽培者は、収穫したシソの葉を、天気の良い日に縁側に並べ、時間をかけてカラカラ に乾燥させます。乾燥させたシソの葉は、細かくもんで、蒸かしたてのむかごご飯にたっぷりとかけ「し そご飯」に。梅と一緒に漬け込んだ赤シソを乾燥させる「ゆかり」とは全く別のもので、川前町では 昔から食べられている伝統食です。近年ではあまり見かけなくなりましたが、各家庭で少しずつ調理 法が違い、我が家の味があるようです。
ちそっぱ
写真:しそご飯(川前町下桶売) 風や日差しなどの自然の力を有効に利用して食物を乾燥させることは、先人から伝わった長期保存の知恵のひとつ です。乾物もまた漬物とならんで、交通の便が未発達だっ た時代に、冬の間の貴重な食物として重宝されていました。 戻す手間や調理に時間がかかるものもあり、現代人には敬 遠されがちですが、味や栄養が凝縮され、採れたての作物 とはまた別の味わいが楽しめます。
いわき市では、実に多くの種類の豆が作られ てきました。呼び名や愛称も、地域や家庭によっ てさまざまで、その一粒に人々の想いや歴史が 詰まっています。何故そこまで豆が大切にされ てきたのか。それは、収穫物が限られる厳しい 冬に、栄養豊富で長期保存できる豆は、貴重な ものだったからです。お節の煮豆、お赤飯など、 ハレの日に豆を使った料理が多いことも、大切 にされていた証なのかもしれません。
いわき市では、実に多くの種類の豆が作られ てきました。呼び名や愛称も、地域や家庭によっ てさまざまで、その一粒に人々の想いや歴史が 詰まっています。何故そこまで豆が大切にされ てきたのか。それは、収穫物が限られる厳しい 冬に、栄養豊富で長期保存できる豆は、貴重な ものだったからです。お節の煮豆、お赤飯など、 ハレの日に豆を使った料理が多いことも、大切 にされていた証なのかもしれません。
豆類
写真:花豆(田人町荷路夫)味付けはめんつゆ
熱した油が 隠し味
細かくした シソを加える 手かんなとかんぴょう ユウガオ
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長い間、人々の暮らしに寄り添ってきた「いわき昔野菜」。親から子へ、子か ら孫へと世代を越えて、代々種は受け継がれ、地域の気候や風土に馴染み、家 庭の食卓を支えてきました。食べ方も実にさまざまで、保存の知恵や加工の工 夫など、その土地ならではの独自の食文化が形成されてきました。
この地域の宝でもある「いわき昔野菜」や「食文化」を、次の世代へ残して いくことを目的に、本誌は編集されました。昔から伝わる食べ方と共に、若い 世代の方に興味を持ってもらえるような、今までにない新しい食べ方も紹介し ています。
本誌は、昨年に刊行された「いわき昔野菜のレシピ」の続編であり、この度 も多くの方にご協力を頂きました。薬膳、フレンチ、中華、家庭料理など、バ ラエティに富んだレシピが誕生しています。個性の強い野菜の魅力を活かしな がらも、今までとは違った新しい一面に光をあてることで、「食べたい」、「作っ てみたい」という声が、少しでも多く生まれれば幸いです。そして、この冊子 を手にとって下さった方が、「いわき昔野菜」をより身近に感じてもらえること を、心から願っています。
編集後記
凍み餅
写真上:ごんぼっぱの凍み餅(田人町荷路夫) いわき市の山間部を中心とした地区には、「凍み 餅」と呼ばれる保存食があります。夏から秋にかけ て「ごんぼっぱ」と呼ばれるヤマゴボウの若葉を摘 んで乾燥させておき、冬の寒さが最も厳しい2月初 旬に餅に加工されます。ごんぼっぱは、茹でてアク 抜きするだけでも数日かかり、餅が完成するまでに は多くの手間がかかっています。寒さにあてて乾燥 させることで、餅の表面がカチカチになり、長期間 の保存が可能となります。食べる時は、半日以上水 につけ、フライパンなどで焼いて、砂糖醤油などお 好みの味付で食べられています。ごんぼっぱの葉の 裏面は、ビロードのような独特の手触りですが、こ れが餅のつなぎになるといわれています。写真右❶:ごんぼっぱを乾燥させている様子 写真右❷:ごんぼっぱの団子
茹でてアク抜きしたごんぼっぱを米粉に混ぜて 団子状にし、もち米と一緒に蒸かします。 写真右❸:つきたてのごんぼっぱ餅
写真右❹:凍み餅を屋外に干している様子
ついた餅を藁で組み、水にくぐらせてから軒下 に吊るします。1 ヵ月ほどで完成します。 写真右❺:ごんぼっぱの凍み餅
凍み餅を一晩水につけ戻します。水気をきって、 少量の油をひいたフライパンで焼き、お好みの 味付で食べます。
❶ ❷
❸ ❹
❺
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